ミチへ向かい、懐に迎えて。

そっと抱えたおやつボーロ。
どんな風にみんなと食べようか。
今から先のもろもろすべて、大きな砂のカンバスに気持ちが跳ねる。



弾むのはリュックだけじゃない。
道づれの枝で描く太くて細い軌跡。
吹き散る砂、お互いの鼓動。
駆けまわる潮風もグングン息を押し上げる。



おのおのの場所で、待ち構える。
畳みかけるあぶくや風に、今もアンテナ全開。



この後の彼がどんな風だったかは、ひみつ。
あなたなら、どんなだろう。
あの人、あの子だったら。
なんだったら一緒に出かけてもいいんじゃないかな。
根城をあっためておいてさ。



そして、また歩くのだ。
幸いにもどうあろうと必ず、今日の寝床にたどり着けるのだ。
半乾きの髪に、靴にリュック。
まぶれつく砂を受けとめ、ごろんとのびて一息後には夢のなか。
そこではそれぞれの海が引き込まれ、地図は縮んでは膨らみ、これまでの養分が注がれ、深く地下茎を逞しく育む



さあ、今日が現れる。
いつも感じている心音に、まったく違う今が立ちあがる。
白い地図帳の1ページか、溢れ出す一冊の、海に、山に、空に結ばれたこれから。
どう踏み出しても、この一歩がわたしのすべて。
あなたでいっぱい。
隅々までひとつ。
さて…


~mei~

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